記事を読んでもらえるかは最初の1行で決まる

読んでもらえない文章に価値はありません。

読んでもらえるかどうかは最初の1行で決まります。

ここでは大事な「書き出し」の作り方について解説します。

「書き出し」にとことんこだわろう

記憶に残る文章というもの、どれも「書き出し」が秀逸です。

<例文>
死んだ父は筆まめな人であった。
私が女学校一人で初めて親許を離れた時も、三日もあげず手紙をよこした。

―――『字のないはがき』

『字のないはがき』というタイトルの本なのに「筆まめな人であった」でスタートするのは、意外性があり物語に引き込まれます。

もう1つ、有名な文章の書き出しを見てみましょう。

<例文>
国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった。
信号所に汽車が止まった。

―――『雪国』

情景が浮かぶような素晴らしい書き出しです。

このように書き出しはとても大事なのです。

「書き出し」のテクニック6選

ここでは魅力的な「書き出し」を作るのに役立つテクニックを6つ紹介します。

1:会話や音から始める

物語の途中から始まったかのような書き出しは、読者を文章に引き込みます。

例文では擬音で始まっています。

<例文>
カリカリカリっ。飼い猫のタマが「開けて!」とドアをひっかいた。

2:タイトルの逆を書く

意外性のある書き出しは、読者に大きな印象を与えられます。

例文では、タイトルとは逆の印象を与える文で始まっています。

<例文>
タイトル:『字のないはがき』
書き出し:死んだ父は筆まめな人であった。

3:動きのある状況から始める

情景が浮かぶような文で書き始めると、読者の脳内はすぐに物語の世界でいっぱいになります。

例文では、自分が汽車に乗っている気にさせられる、動きのある文で始まっています。

<例文>
国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。

4:疑問を投げかける

読者に関心を持たせるためには、冒頭で疑問を投げかけるのも有効です。

例文では、読者に語り掛けるような文で始まっています。

<例文>
健康診断を受けるのは、体に良いのだろうか。

5:格言・名言を使う

文章で伝えたいことと、偉人たちの格言や名言が関連している場合、それらを引用するのは1つの手です。

<例文>
アップルの創業者、スティーブ・ジョブズは言いました。
「もし今日が人生最後の日だとしたら、今やろうとしていることは本当に自分のやりたいことだろうか」

6:短文で言い切る

書き出しが冗長的な文では、読者はすぐに離脱してしまいます。

例文では、切れ味の良い、言い切り型の文で始まっています。

<例文>
吾輩は猫である。名前はまだ無い。
―――『吾輩は猫である』

<例文>
私が木を切るのに6時間与えられたとしたら、5時間はノコギリを研ぐのに使う
―――エイブラハム・リンカーン

<例文>
完璧を目指すよりまず終わらせろ
―――マーク・ザッカーバーグ

まとめ

今回は魅力的な「書き出し」の作り方について解説しました。

これらのテクニックを使って、読者が離脱しないような、書き出しを考えてみましょう。