修飾語が多いと読みづらくなる

修飾語とは、ほかの文節を詳しく説明するための文節です。「見てください」に対して「顔を見てください」、「寝なさい」に対して「早く寝なさい」が修飾語の使用例です。

この記事では、読みやすい文章を書くための、修飾語の使い方について解説します。

修飾語とは

修飾語は、後ろの文節(※1)を説明するための文節です。被修飾語とは、修飾語によって説明される文節のことです。

基本的に修飾語は1つの文節で構成されますが、2つ以上の文節が続く修飾語を修飾部と呼びます。

※1:文節とは、意味がわかる一番小さな単位の区切りのこと。文節の見分け方は「~ね」や「~よ」を入れて自然であること

文節などの言葉の単位の基本やポイントについては、言葉の単位の記事で紹介しています。

修飾語の例文

修飾語について例文で説明します。

修飾語がない文章
 母は、乗っていた。

「母は」が主語、「乗っていた」が述語ですが、これでは、何に乗っていたのか、分かりません。

修飾語がある文章
 母は昨日、買ったばかりの赤い車に3時間ほど乗っていた。

修飾語があるので、母が乗っていたのは、「買ったばかりの赤い車」であることが分かります。

合計3つの修飾語が、以下のように修飾しています。

  • 「昨日」が「乗っていた」を修飾している
  • 「買ったばかりの」が「赤い車に」を修飾している
  • 「3時間ほど」「乗っていた」を修飾している


「乗っていた」と「昨日」は修飾・被修飾の関係にある、もしくは、「乗っていた」は「昨日」の被修飾語である、ともいいます。

このように修飾することで、状況を詳しく説明できます。

修飾語の種類

修飾語の種類について解説します。修飾後には、連体修飾語と連用修飾語の2種類があります。

(1)連体修飾語
  修飾語の中で体言(名詞)を修飾するものを、連体修飾語といいます。

緑のトカゲ。
「緑の」がトカゲ(名詞)を修飾している連体修飾語です。

(2)連用修飾語
  修飾語の中で用言(動詞・形容詞・形容動詞)を修飾するものを、連用修飾語といいます。

早く歩く。
「早く」が歩く(動詞)を修飾している連用修飾語です。

読みやすい修飾語の使い方

修飾後は数を増やすほど、詳しく説明できますが、1つの文が長くなるため、読みづらさに繋がることがあります。

文が読みづらくなった場合、1つの被修飾語における、修飾語の数を減らすと良いでしょう。

修飾語について例文で説明します。

1つの被修飾語における、修飾語の数が多い文章
 母は昨日、買ったばかりの赤い車に3時間ほど乗っていた。

「母は」が主語、「乗っていた」が述語ですが、これでは、何に乗っていたのか、分かりません。

1つの被修飾語における、修飾語の数を減らした文章
 母は昨日、車に3時間ほど乗っていた。その車は赤く、買ったばかりである。

修飾語の数を減らす方法として手軽なのは、2つの文に分割することです。例文では、前半で「母が車に3時間乗った」ことだけを説明し、後半で車について詳しく説明しています。

別の方法としては「その説明は読者に必要なのか」を考えて、修飾語を厳選することです。例えば「母が昨日何をしていたのか」を知りたいだけの読者にとって「車が赤い」ことや「車が買ったばかり」であることは、不要な説明なので、修飾語としては削除すべきでしょう。

目安としては、1つの被修飾語における修飾語は、2つ以下に留めるように意識すると良いでしょう。

まとめ

修飾語について解説しました。ポイントは3つです。修飾語を使いこなして、読みやすい文章を作成しましょう。

  • 修飾語は他の文節を詳しく説明する
  • 修飾される文節は被修飾語とよぶ
  • 1つの被修飾語における修飾語は、2つ以下に留めるように意識する