文章中に登場する格助詞「は」と「が」、これら適当に使ってませんか?
今回は「は」と「が」を使い分けについて学んでいきましょう。
「は」と「が」を使い分ける
格助詞の「は」と「が」には明確に使い方に違いがあります。
・「は」はわかっていることに使う
・「が」はわかっていないことに使う
例文を見てみましょう。
<例文>
昨日、お金持ちそうな紳士は、バーのカウンターにいました。
その紳士が、マティーニを飲んでいました。
この文章には何か違和感があります。
修正後の文章を見てましょう。
<例文>
昨日、お金持ちそうな紳士が、バーのカウンターにいました。
その紳士は、マティーニを飲んでいました。]
「が」は未知の情報に対して用い、「は」は既知の情報に対して使います。
もう1つ例文を見てましょう。
<例文>
むかしむかし、おじいさんとおばあさんがいました。
おじいさんは、山に芝刈りに、おばあさんは、川に洗濯にいきました。
誰もが知る『桃太郎』の導入文です。
こんな聞き馴染みのある文章にも、格助詞のルールはしっかりと反映されているのです。
<例文>
本日、ぜひ買っていただきたい新商品があります。
その新商品は、ご飯がふっくら炊けるこの電気炊飯器です!
「商品」という情報について、格助詞を使い分けています。
正しく使い分けることで、読み手に違和感なく、情報を伝えられます。
「は」がついても、主語になるとは限らない
格助詞「は」というのは、必ずしも主語のあとに使われるわけではありません。
どういうことなのでしょう。
実際に例文を見てみましょう。
<例文>
野球選手のAさんはバッティングがうまい。
この例文の主語は「バッティングが」です。
「野球選手のAさんは」の「は」は、主題提示する助詞の「は」です。
「野球選手のAさんについていえば」と主題を提示しています。
もう少し短い例文を見てみましょう。
<例文>
象は鼻が長い
主語は「鼻が」です。
「象は」の「は」は、主題提示する助詞の「は」です。
「象についていえば」と主題を提示しています。
「は」がついていると、主語だと思いがちですが、必ずしもそうではありません。
このように「は」がついていたとしても、主語になるとは限らないのです。
「…が」を使っていいのは「逆説」のときだけ
「が」には3つの使い方があります。
1:主語をあらわす格助詞
格助詞の「が」で主語をあらわすこともあります。
<例文>
猫が鳴いています。
2:逆説を示す接続助詞
接続詞の「しかし」と同じ使われ方をすることもあります。
<例文>
この薬はとびきり苦いですが、効き目は高いです。
3:単純接続を示す接続助詞
逆説ではない、単純接続として使われることもあります。
<例文>
昨日は雨でしたが、今日も雨が降るそうです。
下記の例文は単純接続として「が」を使用していますが、前と後ろの文が接続されているとはいえないので、2文に分割することをおすすめします。
<例文>
経営陣の責任は厳しく追及されるべきだと思いますが、社長はどのようにお考えですか?
→経営陣の責任は厳しく追及されるべきだと思います。社長はどのようにお考えですか?
正しく接続させるのであれば、下記の例文のとおりに修正しましょう。
<例文>
経営陣の責任はきびしく追及されるべきだと思いますが、いまだに責任を取ろうとしていません。
まとめ
今回は、格助詞「は」と「が」の使い分けについて解説しました。
・未知の情報のとき「が」
・既知の情報のとき「は」
何となく使うのではなく、使いどころを意識して格助詞を使いましょう。