正しい句読点の使い方について解説

文章には句読点が不可欠です。しかし、いまいち使い方が分からず、適当に使ってしまいがちです。今回は句読点の正しい使い方を学んでいきましょう。

1. 句点(。)の表記ルール

句点(。)は、文の終わりに打ちます。ただし、カギ括弧・丸括弧の終わりや、タイトルの文末などでは句点を打たなくてもよい場合もあります。

<例文>
夏が来た。

句点がカギ括弧内の終わりにある場合

句点がカギ括弧の終わりにある場合の対応は、媒体によって異なります。出版業界などでは句点を打ちませんが、国語教科書などは、文が完結している場合にはカギ括弧の中に句点を打ちます。いずれも文法上の誤りではありません。

<例文>
彼は「おはよう」といった(出版業界)
彼は「おはよう。」といった(国語教科書)

文末に丸括弧がある場合

文末で丸括弧が間にある場合の句点の箇所は、その丸括弧が直前の言葉を補足するのか、文全体を補足するのかで変わります。丸括弧が直前の言葉を補足する場合には、丸括弧の外に句点を打ちますが、文全体にかかる場合には丸括弧の中に句点を打ちます。

<例文>
今日は歩いて出かけた(兄と)。
今日は歩いて出かけた。(昨日は走って出かけた。)

丸括弧全体の中に文が入る場合

丸括弧全体の中に文が入る場合には、丸括弧の中の文に句点を打ちます。

<例文>
今年の生産量は10tだった。(昨年は8tだった。)

単文で作られる見出しやタイトルの場合

単文で作られる見出しやタイトルの場合には句点は必要ありません。タイトルが複数の文に渡る場合、途中の文には句点をつけます。

「日経平均反発、終値32円高の2万3278円」
「東大生の挑戦。CO2回収で温暖化防止へ」

【補足】句読点を連続させて曖昧さを表現する方法

句読点を連続させて曖昧さを表現する方法は、書き言葉では使用しません。省略を表現したい場合には、三点リーダー(…)で表記します。

<例文>
悪い例:どうしてだろう。。
良い例:どうしてだろう……

2. 読点(、)の表記ルール

読点は、意味の分離を行って誤読を避けるために打ちます。どのように使用するかは、原則書き手の自由に任されます。ただし、読点を多く使いすぎると文が読みにくくなるため、原則は、文部科学省から発表されている指針に基づいて使用します。文部科学省から発表されているのは、以下のように、文を区切る場所、言葉を修飾する語句を分離する箇所に使う方法です。

文を区切る箇所で使う

読点は、文を区切る箇所で打ちます。複数の文を一文にまとめる際には、読点を打つことで文と文とを分離します。

<例文>
母も喜び、父も喜んだ。

言葉を修飾する語句を分離する箇所で使う

読点は、言葉を修飾する語句を分離する箇所に打ち、その上で不要な箇所を削除します。言葉を修飾する語句とは、形容詞、副詞、接続詞、副詞、感嘆文などの、名詞や動詞を補足する語句のことです。不要な箇所を削除する際には「口調の観点で削除」します。つまり、会話で話す時に不自然になる箇所の読点は省略するということです。

<例文>
昨夜、帰宅以来、お尋ねの件について当時の日誌を調べて見ましたところ、やはりそのとき申し上げた通りでありました。

口調の観点から、「やはり」と「そのとき」の間の「、」を省略しています。

間(ま)を表す箇所で使う

読点は、文章を口に出して読む際の間(ま)を表す箇所で打ちます。

<例文>
当時の委員長、速水さんが言った。

読み誤りが起きそうな箇所で使う

読点は、読み誤りが起きそうな場合に意味の分離をするため打ちます。たとえば、以下の①~④のように、長い主語を明確にしたり、修飾関係を明確にしたり、語句の連続を区別したりする箇所で使います。

①主語を明示するため
<例文>
悪い例:新刊の爆発的な売れ行きでお茶の間の話題となった緑川さんだが、
良い例:新刊の、爆発的な売れ行きでお茶の間の話題となった、緑川さんだが、
主語の「緑川さん」と、それにかかる「新刊の、爆発的な売れ行きでお茶の間の話題となった」を読点で分離しています。

②修飾を明確にするため
<例文>
悪い例:北島さんと友達の姫川さんがついに走り始めた。(読点がないため、北島さんが走ったのか、姫川さんが走ったのかが判断できません)
良い例:北島さんと、友達の姫川さんがついに走り始めた。(走り始めたのは北島さんと姫川さんの2人だと判断できます)
北島さんと友達の姫川さんが、ついに走り始めた。(走り始めたのは姫川さん1人だけだと判断できます)

③漢字やひらがなの連続を分離するため
<例文>
悪い例:ここではきものを脱いでください。
良い例:ここで、はきものを脱いでください。
「ここで」と「はきもの」との2つのひらがなを読点を使って分離しています。

④言葉を並列するため
<例文>
悪い例:山も川も谷も全てが美しい。
良い例:山も、川も、谷も全てが美しい。
「山・川・谷」という名詞がいくつも続けて書かれているものを、読点を使って分離しています。

まとめ

今回は句読点の正しい使い方を解説しました。句読点には「100%これが正解」という使い方があるわけではありません。しかし句読点を上手に使えると、読みやすい文章になります。少しでも読みやすい文章になるように句読点を使いこなしましょう。

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