読みやすい文章を書く方法

読みやすい文章を書くには、できるだけ無駄な表現を避けて、簡潔に書くことが必要です。

簡潔にしようとするあまり、かえって難解な表現にならないように配慮する必要はありますが、より短く表現することは、読み手が内容をスムーズに理解することに繋がります。

また、読み手の貴重な時間を奪わないためにも、まわりくどい言い方や、もったいぶった表現を省くべきしょう。

読みやすく、簡潔な文章を書くためのポイントは、以下の6点です。

1. 同語反復を避ける

同じ意味の言葉は繰り返さずに、不要な言葉を省きます。以下の例では、時間の長さである20秒は「期間」と補足しなくても意味が通じる言葉です。

また「予測する」には事前にという意味が含まれるため「あらかじめ」と言うことは冗長さにつながります。

20秒の期間→20秒
あらかじめ予測する→予測する
未だ未解決→未解決

2. 動詞の名詞化を避ける

動詞を無理に名詞に変えて使うことがないようにします。名詞化しても意味は通じますが、短く伝えられるところをかえって長い文字数で表現することに繋がります。

たとえば、「分ける」を「分離する」、「休む」を「休息する」、「集客を支援する」を「集客支援を行う」というように、名詞化して使うのは冗長です。

内閣府の公式書類である公文書の作成要項でも「耳で聞いて意味のすぐわかることばを用いる」という指針が出されています。

以下の例のように、名詞化はせず、意味がわかりやすい動詞の形を使用します。

行動をする→行う
可能です→できます
充填する→うめる
陳述する→のべる

3. 不要な語句を消す

なくても意味が通じる語句は省きます。たとえば「について」「という」などの言葉の大半は削除しても意味は変わりません。

冗長さをなくすためにも、「無くても通じる言葉」は極力省きます。

<例文>
悪い例:初回のケースに関しましては
良い例:初回のケースは

※「に関しまして」という表現はなくても意味が十分通じるため削除

4. 曖昧な表現を無くす

文末や文章中の曖昧な表現は避けます。たとえば、文末の「だと思う」「の場合もある」などの自信の無さが表れた言い方や、文章中の「少し」「かなり」という曖昧な言い方は避けます。これら語尾を濁す動詞や、曖昧な程度表現は、特別な意図がない限り省いて、できるだけ具体的に記載します。また、とりたて助詞として背景を案じさせる「も」や「など」を不用意に入れると、書き手の曖昧さが前面に出てしまうため、意図がない限りは使用しないようにします。

文末の曖昧さを修正する
<例文>
悪い例:タイトルの修正が効果的だと思われます。
良い例:タイトルの修正が効果的です。

※曖昧な「思われます」は避けて「です」と言い切る

説明の曖昧さを修正する
<例文>
悪い例:B製品のほうが少し長い
良い例:B製品のほうが5cmほど長い

※曖昧な「少し」を避けて具体的に「5cm」と書く

とりたて助詞や「など」で曖昧さを出さない
<例文>
悪い例:恒星は太陽などがあります。
良い例:恒星は太陽やベテルギウス、シリウスなどがあります。

※悪い例として、太陽以外に知らない状況で「太陽など」とごまかす例を挙げた。恒星について述べるのであれば、太陽以外の恒星も調べた上で例を挙げるべき

5. 不要な強調語を削除する

強調する言葉がなくても意図が十分に伝わる場合には省きます。「非常に」や「とても」などの副詞を使う場合には、本当に必要なのかを検討します。

以下の例では、「極めて」や「非常に」があることで冗長な表現になっているため削除します。

極めてユニークな→ユニークな
非常に重要な→重要な

6. もったいぶった優雅な言い回しは避ける

文章中にある、なくても意味が通じるもったいぶった言い回しは削除します。以下の例にあるような「次のことが言えるといえるだろう」や「どうなのでしょうか。それでは詳しく見てみましょう」といった文章に関係がない冗長な表現は必要でなければ省きます。

<例文>
悪い例:次のことが言えるといえるだろう。
良い例:(削除)

※無くても文章の意味が通じる言葉は削除

まとめ

今回は、読みやすい文章を書くための方法をピックアップしました。書き終わった文章について、これらのポイントを抑えられているかどうか入念にチェックしましょう。

主語と述語(動詞)の関係を意識することの重要性について解説

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